ノープ

ノープ

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★3.8

ノープ(NOPE)

2022年製作/131分/G/アメリ

監督 ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』『アス』で知られるコメディアン)

脚本 ジョーダン・ピール

制作 ジョーダン・ピール、イアン・クーパー

キャスト ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、ブランドン・ペレア

あらすじ

田舎町に住む男が、謎の落下物によって父を亡くす。男は妹らと共にその死の原因であると思われる謎の飛行物体の撮影に取り組み始めるが…。

※ネタバレ注意

 公開初日に観た。自分の両隣がカップルで、なんだか虚しくなった。ジャンプスケアてんこ盛りで、何回か飛び上がって恥ずかしかった。風邪をひいたときに見る夢を壮大にした映画といえば伝わるだろうか。わかりやすく言うと、気持ち悪くて内容のない、でもどこか魅力を感じる部分がある映画であった。
 前半は眠くなるが、途中に入り込む謎の人殺しチンパンジーが印象的。殺人のグロテスクさもそうだが、「限界を超えた」という表現が不気味で怖かった。ジージャンからチンパンジーが出てくると予想していたが、結局チンパンジーの立ち位置はよくわからなかった。某映画レビューサイトで、目を合わせてはいけないことを暗示していると書かれていたが、あの子供は目を合わせなかったというよりただ隠れていただけではと思い腑に落ちない。兎にも角にも面白いことに変わりはないので良いのだが。
 前半で眠くなって寝てしまい、後半は本当に夢だったのかもしれない。奇妙な要素だけが詰め込まれ、結局どこに着地したのかわからない、パラシュートで異世界を舞っているかのような後半。ジョーダン・ピールエヴァ使徒をモチーフにしたという、「あれ」が変貌していくシーンは勿論のこと、巨大な人形を喰わせるシュール極まりないクライマックスは、マスクのなかで物理的に開いた口が塞がらなかった。見たいものを見せてくれる王道な演出がきちんと施されている(もちろん意味の分からなさは健在であるが)序盤とは相反し、時間が経過する毎にどんどん意味不明になっていく、見たいものより監督が見せたいものだけが永遠と出続けるだけの後半には、圧巻の二文字が相応しいだろう。
 取り敢えず観るなら今のうち、つまり映画館に行かないと面白くない映画である。個人的に、オムニバス構成であることや意味がわからな過ぎるところになんとなく呪怨と近いものを感じた。